LCCの就航も増えて、海外旅行は安くなる傾向にありますよね。
でも値段はピンキリで、安さにはそれなりのワケがあるので、そこを理解した上で申し込みたいですよね。
着目すべき点を押さえたら、賢くお得に申し込むこともできちゃいます!
海外旅行でも、衝動買い(衝動申し込み?)したくなる目玉価格を見ることがありますね!
「一緒に行く友達に確認する前に、とりあえず申し込んじゃう?」
「でも、本当にこれでいいの?なんか安いんだけど大丈夫かな?」
安さのポイントやチェック項目を理解していれば、賢くお得に「自分に合った海外旅行」が申し込めるようになります。
こちらの記事では、旅行業に携わって15年以上、自身はバリ島フリークで年に2~3回渡バリする旅好きオンナが、格安ツアーの注意点を伝授します。
Contents : 本記事では注意①②について解説します。
注意①【日数の数え方】
出発する日が既に2日目になることも!?
最終日の日本着が0時越えていたら1日扱い。
保険加入の日数は家を出てから帰るまでの日数分が必要。
注意②【フライト時間未定】
現地滞在がもっとも短いフライトになることを覚悟しよう。
飛行機の時間が決まった時には変更できない。
ーーー ③④⑤は後編で解説します ーーー
注意③【ホテル未定または一番安いホテル】
ホテル未定は条件のもっとも悪いホテルを覚悟しよう。
一番安いホテルはアイキャッチのため。
リゾートなのにビジネスホテル風でもいいの?
注意④【1人参加や3人参加】
1人参加(1人部屋)の場合、追加代金がやたらと高いことも。
3人1部屋の場合も注意が必要。3人でベッド2台もあり得る。
⇒航空券+ホテルにした方が安い?
注意⑤【観光や送迎付きが安いワケ】
現地も工夫しているから成り立つ安さ。
注意①【日数の数え方】
大前提として、【日数の数え方】を注意すべきなのは羽田空港出発など24時間空港の場合に注意する必要があります。
各空港では、近隣住民に配慮して、離発着を禁止する時間帯を定めています。
現在、成田空港では0〜6時に飛行機が離発着できません。(2019年9月までは23時〜6時でした。)これは厳密で、時間までに滑走路まで進んでいたとしても、管制官の許可が下りずに禁止時間になってしまったら、飛行機は飛び立てません。そんな場合、一度乗り込んで「さあ、出発だ」と思っていた乗客は下ろされて次の日まで待つしかなくなってしまいます。
(稀なケースではあります。)
一方、羽田空港は24時間離発着が可能。
日本の他の空港では、関西国際空港、中部国際空港(セントレア)などいくつかの24時間空港があります。
何に注意すべきかと言うと、「飛行機に乗る前日を1日目としてカウントする場合」が存在するということです。
それはどういうことかというと、
「空港の集合時間を1日目にカウントする」
というのがツアーでの日数の数え方です。
空港集合時間は出発予定の2時間前、2月1日23時。
1日目は2月1日、飛行機が飛び立つ2月2日は2日目の扱いになります。
つまり、1日目は集合しただけで実際に旅立っていなくてもカウントは【1日】となります。
具体例を見てみましょう。
バリ島5日間(2020年1月出発)で最も安かったのが、旅工房さんのコース38,800円~。
安くて飛びついてしまいそうな値段です。
このコースのスケジュールを見てみましょう。
んん? 25:30頃 羽田発⇒マニラへ となっていますね。
これが1日目は「羽田空港集合」だけで終わり、2日目の深夜01:30(つまり前日から見たら25:30)に出発する予定のフライトに乗る日程、ということになります。
このコースの着目点はその後にもありました。
【05:30頃】マニラ到着 ⇒【19:45頃】マニラ発 ⇒ デンパサールへ
んん??14時間後ですって??
そしてデンパサール到着は【23:59頃】!!かろうじて「2日目」です。
ようやくバリ島に着き、送迎車でこの時間からホテルへ向かうわけですね。
せっかくだからマニラも観光してみたい!という方にはおススメできますが、バリ島を目的地とする旅行としてはいくら安くても・・・という気がしてしまいますね。
※値段が破格であることには間違いないです。
ではもうひとつコース例を見てみましょう。
ソウルの5日間ですが、現地では2泊しかしないコースです。
韓国は時差もなく約2時間半のフライトで着いてしまう最も近い海外ですね。
そのソウル旅行ですが「2泊5日」とはどうなっているのか見てみましょう。
出発予定時刻が深夜の1:45なので前日(23:45空港集合)が1日目扱い、2日目の早朝4:25にソウル仁川空港に到着。
ホテルチェックインは15時以降で、2泊(2日目・3日目)して、4日目昼にチェックアウト。
帰国便のために仁川空港へ行くのは4日目の20:40頃。羽田空港到着は5日目の0:55。
0:55に羽田空港に着いても公共交通機関は動いていないわけですが(そこはどうにかするとして)休みは3日間で行ける日程、しかも現地滞在時間は2日目朝から4日目夜までという最長プランになります。
前日集合/最終日の深夜~早朝着のコースを「1日(2日)損する」と思うかもしれないですが、このソウルツアーのように、うまく利用すれば休みが少ない人が「最大限現地に滞在できるコース」になることもあるのです。
このような深夜のフライトが飛んでいることや日数の数え方が分かれば、3日間の休みで行けるツアーを探す場合に「3日間のコースだけでなく、4・5日間も検索の対象にする」ことができますね。
さて、深夜便コースで注意しなくてはいけないことが2つ。
海外旅行傷害保険に加入する場合、その保険契約の日数も旅行日程に準じることになります。つまり、1日目が空港集合のみで、5日目の深夜~早朝に帰着する場合、5日間の保険に加入することになります。
たとえ数時間しかその日にかかっていなくても1日としてカウントされることになり、当然ですがその分、保険代金は上がりますね。
それからもう一つ。日付の勘違いで乗り遅れないようにしましょう!ということです。
ここで見てきたように、行きの飛行機に乗る日=空港へ行く日ではないことがあるんですね。
それが申し込みの時はわかっていたはず(であろう)なのに、深夜1時の便に乗るために、乗る日の夜に空港へ行ってしまい、「予約されていたのは今日になったばかりの1時なので、その便は出発済みです。乗り遅れの扱いです・・・」となってしまうわけです。ご注意くださいませ。
注意②【フライト時間未定】
特にソウルツアーでは絶対に見なくてはいけない着目点です。
・往路便の時間帯はどうなっている?
・復路便の時間帯はどうなっている?
2019/12/17現在 HISのサイトに実在するコースで見てみましょう。
航空会社未定(リスト上に記載のある航空会社のいずれか)つまり飛行機の発着時間が未定(スケジュールの中に記載されている時間内)のコースで、ソウル行きの最ボトム商品としてはよく見るスケジュールです。
こういったフライト未定のコースの場合は
もっとも悪い時間帯になるものと思いましょう。
さて、もっとも悪い時間帯とは?→現地滞在時間のもっとも短いフライトの組み合わせ、です。
往路便・復路便の表記は以下のようになっています。
【往路】
成田(09:00~21:15)発、(直行)空路、ソウル(仁川)へ
ソウル(仁川)(11:30~23:40)着
【復路】
ソウル(仁川)(05:55~18:50)発(直行)空路、帰国の途へ
成田(08:35~21:10)着
この中で現地滞在時間がもっとも短い組み合わせは、
1日目 21:15に成田空港を出てソウル(仁川)に23:40着。
3日目 5:55にソウル(仁川)を出て成田空港に8:35着。
つまり、初日と3日目は移動のみで、ソウルで夕食や朝食を取ることすらできません。
こういうスケジュールの表記はよくあります。詐欺でも何でもありません。
そして多くの場合、初日は夜遅く着いて時間があるのは2日目のみ、3日目の朝に現地を出るフライトに決まって来ます。
ワタシの想定では90%以上の確率でそうなります。
「そんなスケジュール、酷いじゃないかっ!!」って思いますか?
でも残念ながらそれは「そんな悪いスケジュールになるはずがない」という思い込みに過ぎないんです。。。
旅行会社は契約内の手配をすればいいのですから、契約時の内容に上記のスケジュールが書いてあれば詐欺でも何でもなく、まっとうな手配をしたまでです。
「でも、他の時間になる人だっているんでしょう? 私をその時間にしてくれたらいいのに…」
と思われても、実際はほぼいないのが現実なので、その根拠を示しましょうかね。
Skyscannerで航空券の代金を検索した結果です。
2020/1/7出発 3日間 成田-仁川 往復の航空券代金
を調べると、最安値は15,118円。
ツアーの9,800円は空港使用料や出入国税が入っていないのですが、下記の航空券検索結果には含まれていて、航空券そのものは8,000〜9,000円です。
つまり、9,800円のツアーは、こういった最安値の航空券にホテル2泊を付けたものだろうと予想ができます。
仮に、航空券の検索で出発時間を絞り込むとします。
行き 成田発 8:00〜13:00
帰り 仁川発 16:00〜21:00
その検索結果は、下記の通りで5,000円ぐらい高くなります。
これで、そもそもの航空券が「日本発の時間が遅く、現地発の時間が早いフライトが安い」ということが分かったかと思います。
なので9,800円〜のツアーで使われるエアーは「日本発の時間が遅く、現地発の時間が早いフライトが安い」便になるのが必然で、よほどのことがない限り(旅行会社側で想定していたフライトが手配できない等以外は)滞在時間が短い組み合わせになるわけです。
念のために付け加えておくと「そうならない可能性」もゼロではないです。なので、成田空港まで時間がかかる場所にお住まいの方、「遅く出発して早く帰って来るなら家までの電車の心配はいらないわ」と思われても、そうならない場合も僅かながらありますからね。
ちなみに、フライト時間が分かるのは多くの場合において、出発の1週間前頃の最終日程表のタイミングです。
その前に分かる場合もありますが、基本的に言えることは
「フライト時間が確定してから変更することはできない」
ということです。
たとえ「お金払ってでもいいからフライト時間を変更して欲しい」と申し出ても恐らくやってくれないでしょう。
パッケージツアーに「変更」の概念はありませんので、旅行会社からの返事は「キャンセルしていただき、別のフライト指定のコースに新規申し込みをしてください」と言われることが想定されます。
そうならないためには「安いだけで飛びつかず、安いにはワケがあることを理解した上で申し込む」ことが重要ですね。
フライト料金検索や予約のみならず、どういった便が飛んでいるのかを知るためにも航空券の比較サイトは有効的で、ワタシは情報収集のためにもよく活用します。
もちろん価格比較もできるので、旅のプランを立てるときにも使えますよ。
旅行会社のセールで、格安の海外ツアーを見つけました!!
価格重視なので飛びついてしまいたいけど…大丈夫かな。
格安ツアーのチェックポイントを教えてください。